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オランダ・ベルギーの旅

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家族旅行でオランダへ。
アムステルダムに住んでいる妻の妹の家を拠点に建築探訪をさせてもらいました。
いわゆる団地型集合住宅でも隣棟間隔が広く、外部アプローチから1Fリビングを通して裏庭の緑が見えるつくりの住宅が多く、建物周辺の緑が多い印象。

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​​2日目

午前中は、皆でアムステルダムの運河クルーズに。
水面が高く、水際でも手摺がないところが多く、運河との距離感がとても近い印象。
運河から眺めるアムステルダムの街並みは、とても美しく、歴史ある建物と奇抜な現代建築が融合していました。

運河に面する建築群は、よく見ると隣の建物に寄りかかっているものも見られ、形や色こそ違えど全体としてまとまりのある街並みとなっています。
屋根が洋瓦、外壁はレンガ、窓や建具は木製というように、基本となる素材がしっかりしているので、カラフルな色が入っても不思議と違和感なく馴染んでいました。

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午後から一人の時間をもらい、1泊でショートトリップ。
電車と、バスを2つ乗り継ぎ、今回最も訪れたいと思っていたクレラーミュラー美術館へ。
ゴッホやモンドリアンの絵もさることながら、建築そのものが素晴らしく、ゆっくり時間をかけてまわる。

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バルセロナパビリオンに影響を受けたというその建築は、周囲の自然を巧みに取り込んでいて、ゴッホを中心とした名作の合間に緑が切り取られる魅力的な建築でした。

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ピート・モンドリアン「赤と黄と青のあるコンポジション」

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ゴッホ「夜のカフェテラス」

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国立公園内にあるクレラーミュラー美術館へは、園内の自転車を借りて行きましたが、ハンドブレーキがない(ペダルによるブレーキ)のと右側通行に少し戸惑いました。。

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そして、美術館の敷地内にある念願のリートフェルトパビリオンへ。
寒風の中、2時間余り、周囲を行きつ戻りつしながらその建築を目に焼き付けました。
木、鉄、ガラス、コンクリートブロックという素朴な素材を使用しながらも、その空間の質は高く、アプローチからの視線をコントロールしながら線と面で空間を構成しています。
どこか日本の数寄屋建築のアプローチを彷彿とさせるような奥ゆかしさを感じました。

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壁面としてのコンクリートブロックは、横使いすることで不揃いな穴が透過し、そのラフな表情がより一層素朴な印象に感じられました。

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雨樋も木柱の後ろにすっきりとデザインされていました。

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オッテルロー、国立公園近くのホテルに宿泊。

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宿泊した部屋のラフスケッチ。
ベッド背面の大きなヘッドボードがきちんと無垢板だったり、照明や家具にも気を配っていてコンパクトながらも居心地が良い空間でした。窓下には、ヒーターが備え付けられ、エアコンを使用しなくて過ごせたのがなによりでした。

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ホテル内ラウンジ。
食事もできる半個室空間。無垢材を積み上げた壁が印象的。

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ホテル内レストラン。
ホテル内いたるところに見られる鹿のオブジェ。

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空地のベンチ。プロポーションが美しく、なんとも素朴で可愛らしかったので思わず足が止まりました。

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​​3日目

ロッテルダム
オッテルローからバスや電車を乗り継いで、ロッテルダムへ。
地下鉄が工事中で使用できず、トラムを乗り継ぎ、クンストハル美術館へ。
このトラムがかなり複雑で、何度も人に聞きながらどうにか目的地へ。それにしても、オランダの方は皆親切で朝の通勤時間でも親身になって教えてくれました。

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ロッテルダム駅。駅だけでなくホームも美しい建築でした。

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さすが自転車大国オランダ、自転車もそのまま載せられる車両がありました。

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クンストハル美術館(レム・コールハース)
あいにくこの日は休館日だったため、外観のみしか見れませんでしたが、大小様々な抜けや敷地の高低差を利用したスロープ状の展示風景などの様子が見受けられました。
鉄、コンクリート、ガラスなど無機質な素材に荒々しい表情の古木丸太を使用するなど、インダストリアルな印象の建物でした。

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マルクトハル(MVRDV)
巨大なトンネルのような建築は、マーケット+200戸を超える集合住宅。
シンボリックで明快かつ大胆な構成に圧倒されました。

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トンネル状の抜け部分は、マーケットがひしめき、屋内であることを忘れさせる程の大空間です。
アーチ天井部の色鮮やかな食材が描かれた巨大な壁画が印象的でした。
活気あるマーケットを歩き回るだけでも楽しい時間が過ごせました。

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生ハムのお店。イベリコ豚のチョリソをお土産に。

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たぶんインドのスパイス。ものすごい種類のスパイスがきれいに並んでいました。

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ゴーダチーズを中心に様々なハーブやスパイス入りのものがズラリと並んで目移りします。

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マーケット内にて、お昼にケバブとベルギービールで一息つきました。

どちらも、美味い!

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4-6日目
車を借りてベルギーへ。
初の左ハンドル運転に、緊張しながらも高速を飛ばしブリュッセルへ。
ベルギービールとワッフル、そしてアール・ヌーヴォーと歴史ある建物の街並みを満喫。
どこを切り取っても絵になります。

小屋裏空間を利用した宿。
歴史を感じる古木の小屋組みとレンガやしっくい壁が落ち着いた味のある良い雰囲気を醸し出しています。
レストラン横の小さな扉を抜けて、踏面が斜めになった上りづらい変形らせん階段を経てようやくたどり着く宿ではありましたが、
その苦労を払拭するだけの素敵な宿でした。

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宿からの夕景。白熱色の落ち着きのあるやわらかいライトアップの街並み。

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ブリュッセルの細い路地。
石畳の路地に現れた経年変化したレンガと緑が相性抜群な景観。茶系の洋瓦と木製サッシも効いています。

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漫画博物館(ヴィクトール・オルタ)
ブリュッセルにあるアールヌーボー作家オルタの代表作の一つ。
アールヌーボーの建築は装飾的な印象が強く、個人的には興味があまりなかったのですが、手間暇を存分にかけたであろうそのディテールに感嘆。
気が遠くなるような繊細な意匠は、工業化する世の中へのアンチテーゼとして気迫と執念を感じぜるを得ません。
元々は織物商人のための邸宅だったらしく、中央の大きなトップライトのある吹抜けを中心に明るく気持ちの良い空間が広がっていました。

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ギャルリー・サン・チュベール
高級ブランドやチョコレートショップ、カフェが並ぶヨーロッパで最も古いショッピングアーケードのひとつ。
全長200mを超える通りに、整然と石造りのファサード(店構え)が統一され、とても上品で優雅な印象。

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アントワープ中央駅。
世界一美しい駅舎と言われるだけあって、その壮大な空間に圧倒されます。

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シェ・レオンのムール貝。
ムール貝料理で有名な老舗のレストラン。セロリと一緒に蒸し焼きにされたムール貝は絶品。

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7日目
ユトレヒト。
午前中は、近代建築の名作の一つであるシュレーダー邸と、現代建築の名作の一つエデュカトリアムへ。
シュレーダー邸は、元家具作家のリートフェルトならではの仕掛けが随所に見られ、家具、間仕切り、窓に至るまで機能的に可変性のある設えがされています。

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エデュカトリアム(レム・コールハース)
ユトレヒト大学の施設。床と天井が一体となってスロープ状にせり上がっている様子が外観からも伺える。

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建物中央の階段

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スロープ状のスラブ(床)に沿って段状につくられた講義室

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スロープ状のスラブ(床)の先端部。床がせり上がって壁から天井へと包まれる様子が表現されている。

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スロープ状のスラブ(天井)下のカフェテリア。
ガラス張りの開放的な大空間に半個室スペースも点在している。

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午後は、子供達を預かってもらい、街歩き。
ユトレヒトは、コンパクトなエリア内で歴史ある建物におしゃれなお店が点在し、運河は地上から5m程下がっています。
その高低差を利用して、地下の水際にカフェやバーが並び、良い雰囲気。

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運河への細いアプローチがいたるところにあり、良い抜けとなっています。

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